2026年12月の「こども性暴力防止法(日本版DBS)」施行まで残りわずかとなりました。放課後等デイサービスや児童発達支援事業所にとって、この対応は「努力義務」ではなく「法的義務」です。
事業所を守り、何より子どもたちの安全を守るために、今すぐ取り組むべき5つのポイントを解説します。
施行までに「5つの準備」を完了させましょう
2026年12月の日本版DBSの施行に向け、放課後等デイサービス・児童発達支援事業者は、「性犯罪歴の確認」と「安全管理体制の構築」を完了させておく必要があります。
法的義務が発生するため、準備不足は事業継続のリスクに直結します。
次の5項目を軸に、計画的な準備を進めていきましょう。
なぜ今、最優先で取り組む必要があるのか?
放課後等デイサービス等は、法律上の「義務対象事業者」に指定されています。
- 社会的責任
発達に特性のあるお子様は、被害を自ら訴えることが難しい場合があります。そのため、行政による確認システム(DBS)の活用が不可欠です。 - 信頼の維持
「適切な対策を講じている」という事実は、保護者からの信頼を勝ち取るための経営上の生命線となります。 - 法的リスクの回避
施行後に未対応のまま雇用トラブルが発生した場合、事業所の責任が厳しく問われます。
今すぐ着手すべきこと5選
具体的にどのようなアクションが必要か、5つのステップにまとめました。
① 就業規則の整備(雇用ルールの改定)
犯罪歴の確認結果に基づき、配置転換や内定取消、解雇などを行う可能性があります。
- 具体的なアクション
就業規則に「性犯罪歴の確認に関する規定」や「採用制限・解雇事由」を明文化します。 - ポイント
独自の判断で解雇や内定取消を行うと、後に労働トラブルに発展するリスクがあります。社会保険労務士などの専門家と連携し、法的根拠に基づいたルール整備を進めることが、事業所と従業員双方を守ることにつながります。
② 従業員への周知と協力要請
制度の導入には、現職スタッフの理解と同意が欠かせません。
- 具体的なアクション
全スタッフ向けの説明会を実施し、犯罪歴の確認が必要になること、個人情報は厳重に管理することを伝えます。 - ポイント
スタッフの不安を払拭し、組織全体で子どもを守る意識を共有します。
③ GビズIDの取得(システム準備)
国への照会手続きはオンライン(デジタル庁のシステム)で行われます。
- 具体的なアクション
法人用共通認証基盤である「GビズID(プライム)」を取得してください。 - ポイント
施行直前は発行に時間がかかることが予想されるため、早期取得が推奨されます。
④ 情報管理体制の構築(プライバシー保護)
性犯罪前科は極めてセンシティブな個人情報です。
- 具体的なアクション
情報管理責任者を1名指定し、閲覧できる人間を最小限に絞ります。また、情報の破棄ルールなどを定めた「情報管理規定」を作成します。 - ポイント
情報漏えいは事業所の社会的信用を失墜させます。物理的・システム的なガードを固めましょう。
⑤ 相談・通報窓口の設置とマニュアル作成
DBSはあくまで「過去の犯罪」を確認する仕組みです。そのため、日々の「予兆」を見逃さない体制が重要です。
- 具体的なアクション
子どもや保護者、スタッフが異変を感じた際の「内部通報窓口」を設置し、報告フローをまとめた対応マニュアルを整備します。 - ポイント
「おかしい」と感じた時にすぐに声を上げられる環境を作ることが、最強の抑止力になります。
まとめ 2026年12月に向けて万全の体制を
日本版DBSへの対応は、単なる事務手続きではなく、「子どもを性暴力から守る」という事業所の強い意志を示すプロセスです。
- 就業規則を整え
- スタッフの理解を得て
- GビズIDを確保し
- 情報管理を徹底し
- 通報・相談体制を構築する
この5項目を今から一つずつクリアし、施行当日には自信を持って保護者の皆様に安全性をアピールできる状態を目指しましょう。
将来的に、この体制が整備されていることが、地域で選ばれる事業所の「標準スペック」となります。早めの着手で、安心安全な施設運営を実現しましょう。
当事務所では、行政書士として日本版DBSの運用体制や情報管理規定の作成をサポートしつつ、労務等の専門外の領域については他士業の先生方とも連携し、トータルで事業所様の安全運営をバックアップいたします。